J Mol Med (Berl) (IF: 4.6; Q2). 2023 Oct 13.
本研究では、非小細胞肺癌(NSCLC)患者の外科的肺検体の癌部分と非癌部分から線維芽細胞を樹立し、NSCLC細胞に対する挙動の違いを評価した。正常線維芽細胞(NF)と癌関連線維芽細胞(CAF)間で発現の異なる遺伝子を調べるためにRNAシークエンシング解析を行い、様々な固形癌で過剰発現し、癌の進行を促進することが知られているペリオスチン(POSTN)の発現が、NFよりもCAFで有意に高いことを同定し、CAF由来のPOSTNがNSCLCの腫瘍増殖、遊走、EMT誘導、薬剤耐性に関与していることが示した。CAFから分泌されるPOSTNを標的とすることは、NSCLCの治療戦略として可能性がある。